SiC MOSFETアンプを作ろうと思ったときに、まず困るのが、N-chしかないため、コンプリメンタリーの回路が組めないことです。
準コンプリメンタリ(Quasi Complementary Feedback Pair)の設計例を探しても、なかなか適当なのがみつかりません。
そこで、LT1166のデータシートに出ている回路をベースにLTspiceでシミュレーションしながら、出来上がったのが、次の回路です。
BJT(2SC4883A, 2SA1859A)によるドライバ段を追加して、ボトムサイドはR26(120Ω)とR27(510Ω)のエミッタ・ディジェネレーションで、出力段(SCT2120AF)をフルスイングするように設定しています。
AC Analysisの結果は次の画像です。C1を3 pFに設定して、周波数特性を100 kHzまで伸ばしています。位相余裕、ゲイン余裕も問題なさそうです。
Transient Analysisの結果は次の画像です。THD(3Vpp, 20 kHz)は、0.062870%とまずまずです。
最後に20kHzの矩形波応答を見ておきます。問題なさそうです。