150W VF-CCM PFCの試作

HiperPFS-4によるVF-CCM(可変周波数連続導通モード) Universal PFCの試作をまとめておきます。

 

動作中の写真です。

PGとPGTの回路は撤去しました。
効率モードで動作していますが、
GaNアンプを鳴らす程度では、
発熱もほとんどありません。
PFS7626HとSTTH8S06FPはヒートシンクに固定しています。
注意としては、
760804310のEagleモデルのFoortprintに誤り(端子版の切り欠きと1番ピンが一致していない)があります。
PFCチョークの向きは、コイルの切り欠きからリッツ線が見えている方が一次側です。
また、NTCの動作によって、起動時にAUXおよびメイン出力の電圧が安定するまで時間がかかります。
IRS25751Lのスレッショルドは15V(LM78L12の最低入力電圧14.5V)から17V(AUXおよびZener電圧18V)程度でよいようです。
肝心のノイズは臨界モード(CRM)よりもVF-CCMの方が少ないようです。
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150W VF-CCM PFCの基板設計

HiperPFS-4によるVF-CCM(可変周波数連続導通モード) Universal PFCの基板設計をまとめておきます。

 

EAGLEの回路図です。

配置図です。

上面のパターンです。

下面のパターンです。
部品点数が少ないので、
特に難しいところはないと思います。
以降は試作に続きます。

150W VF-CCM PFCの回路設計

HiperPFS-4によるVF-CCM(可変周波数連続導通モード) Universal PFCの回路設計をまとめておきます。

 

PI Expert Suite(設計ツール)で、パラメータを決めて、

データシートの手順に従えば、部品点数も少ないため、

簡単に設計できます。

 

回路図をデータシートから引用しておきます。

 

こちらのアプリケーションノートも参考になります。

AN-52: HiperPFS Family Design Guide

AN-53: Active Power Factor Correction – Basics

 

その他の主要部品もあげておきます。

HiperPFS-4: PFS7626H

PFC Choke: 76084310

PFC Diode: STTH8S06FP

HV Startup: IRS25751L

ヒートシンクの要件と入手性から、
PFS7626Hを選択しています。
補助回路としては、
PFC Chokeの補助巻き線から18Vが得られるまで、
ブリッジ整流器からHV Startupを利用して17Vでチャージして、
12Vの3端子レギュレータからPFCコントローラのVCCをバイアスします。
EMIフィルタはインレット一体型の外付けのものを利用します。
また、PGおよびPGTでリレー(NTCの切り離し)や
オプトカプラ(外部回路へのPG信号)を駆動する代わりに、
インディケータとしてLEDを点灯するようにします。
以降は基板設計に続きます。

PFCによる電源効率とリップルの改善

商用電源を入力とするトロイダルトランス、

ダイオードブリッジおよび平滑コンデンサによる電源構成は、

半坡整流後の電流が100/120Hzでパルス状に平滑コンデンサに流入するため、

力率の低さとリップルが問題になります。

 

また、電源ICのソリューションはたくさんありますが、

入力電圧や出力電流の制約で、

出力100-500Wのオーディオパワーアンプに適用するための

組み合わせは限られます。

 

そこで、ここではまず、

主電源としてPFC(Power Factor Correction, 力率補正)を利用する

+-50V, 100Vを生成するAC/DCコンバータ(LT3798, LT1249)を設計します。

 

また、補助電源として15V, +-5Vの電圧を生成する

DC/DCコンバータ(LT8304, LTC3260)もあわせて設計します

 

まず、+-50Vの正負電源は、

LT3798(アクティブPFC機能を備えたオプトカプラ不要の絶縁型フライバック・コントローラ)

をAC35VからDC50Vへの絶縁型フライバックコンバータとして、

正負独立に使用して構成します。

LT Spiceによるシミュレーション回路はこちら。

過渡解析の結果はこちら。

 

次にD級BTLアンプ(オーディオ信号変調によるバックコンバータ)用の100Vの電源は、

LT1249(Power Factor Controller)をAC35VからDC100Vへのブーストコンバータとして、

左右独立に使用して構成します。

LT Spiceによるシミュレーション回路はこちら。

過渡解析の結果はこちら。

 

次に、D級アンプのゲートドライバ用の15Vの電源は、

LT8304(150V/2Aスイッチを内蔵したオプトカプラ不要の

100V入力マイクロパワー絶縁型フライバック・コンバータ)を

100-50Vから15Vへの降圧DC/DCコンバータとして構成します。

LT Spiceによるシミュレーション回路はこちら。

過渡解析の結果はこちら。

 

最後に、D級アンプの制御回路用の+-5Vの電源は、

LTC3260(低ノイズの2電源反転型チャージ・ポンプ)

でLDOを使用する構成(15Vから+-5V)にします。

LT Spiceによるシミュレーション回路はこちら。

過渡解析の結果はこちら。