D級アンプのPCBレイアウトで考慮すべき点をまとめておきます。
資料としてはこちらが参考になります。
AN136 非絶縁型スイッチング電源のPCBレイアウトにおける考慮事項
PFCやLLCコンバータのレイアウトにも役に立つポイントがたくさん載っているので、おすすめのアプリケーションノートです。
まず、AN139から降圧コンバータのホットループの図を引用します。

D級アンプはトポロジーとしては降圧コンバータなので、EMIの原因となる緑のホットループ(Cin, S1, S2)を最小化します。
具体的なPCBレイアウトの例として、AN136から図を引用します。

実際のシングルエンドで両電源のD級アンプだと、出力側の連続電流はプッシュプルでVoutの-とPGNDの電位が異なります。
次に、ゲート・ドライバの図を引用します。

基本的にゲートドライバの配線はループ面積が最小になるようにしますが、PGNDプレーンがあれば、ボトムサイドのリターン電流は自動的にAC結合するとあります。
実際のD級アンプで出力側が両電源の場合、PGNDの電位はマイナスになります。
次に、電流検出の図を引用します。

ケルビン検出(Rsense)のための配線のループ面積を最小にして、VIAからノイズを拾わないように注意となっています。
実際の電流モードのD級アンプでもLPFの出力の電流検出を行っています。
最後に、信号とパワーのグランドの分離の図を引用します。

実際のシングルエンドのD級アンプでは、信号グランドと出力のグランド(両電源の中点電位)の分離になります。PGNDに対しては絶縁かレベルシフトになります。