C3M0280090DによるD級BTL SiC MOSFETアンプの基板設計

EAGLEによるC3M0280090DによるD級BTL SiC MOSFETアンプの基板設計です。

2つのDC-DCコンバータ(DPBW03G-05, SPBW03G-15)と10個のオペアンプICを盛り込むため、

80x100mmの実装面積としては限界です。

2つのインダクタ(7G17B-220)と電解コンデンサ(ZLH 1,000uF)も場所を取るため、

8Aを流す為のトレース幅の確保も大変です。

熱損失は効率90%と仮定すると、500W出力で50Wなので、

ヒートシンクはそれほど大きくなくても大丈夫です。

上面のベタパターンです。

下面のベタパターンです。

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C3M0280090DによるD級SiC MOSFETアンプの基板設計

EAGLEによるC3M0280090DによるD級SiC MOSFETアンプの基板設計です。

DC-DCコンバータ(DPBW03G-05, SPBW03G-15)の採用で、

80x100mmでも実装面積に余裕ができたので、

C3M0280090D(SiC MOSFET, TO-247, GDS)だけでなく、

TPH3206PSB(GaN MOSFET, TO-220, GSD)でも

ドレインタブからケルビン接続して実装できる設計にしてあります。

上面のベタパターンです。

下面のベタパターンです。

C3M0280090DによるD級BTL SiC MOSFETアンプの回路設計

Wolfspeed(CREE)のC3M0280090Dによる3レベルPWMアンプを設計します。

ゲートドライバはSi8244, コンパレータはLT1016,

電流検出アンプはLT1995,  電流状態制御と搬送波生成はLT1364,

電圧状態制御とPI制御はLT1498を用います。

DC-DCコンバーターはDPBW03G-05SPBW03G-15を用います。

 

LT SPICEシミュレーションの回路図を示します。

搬送波周波数は738kHzですが、上下独立しているため実効的な周波数は2倍になります。

デッドタイムは47nsにしています。クロスオーバー歪みが生じないように十分小さくします。

ゲインは32dB(Av=40)となっています。

 

+-1.5V, 10kHz矩形波入力時の過渡解析の結果を示します。

LPFの影響を電流状態制御でフィードバックしているため、

オーバーシュートが小さくなります。

FFTの結果を示します。

ノイズフロアは-45dBとなります。

奇数次の高調波だけが見える形になっています。

1.5MHz付近に搬送波のスペクトルが見えます。

 

電力変換部(LT1016, Si8244, C3M0280090D)のゲインと無駄時間要素の

ラプラス素子とパデ近似による線形平均近似モデルを示します。

BTLなので、差動増幅になっています。

 

周波数解析の結果を示します。

帯域はDC-31kHz(-3db)となります。

LPFの影響による30kHz付近のゲインの増大が補正されています。

DC結合アンプなので、低域までフラットです。

ゲイン交差周波数は90kHz、位相余裕は-80deg(積分器の影響で90deg遅れている)

となります。

 

回路規模は大きくなりますが、

効率がよいため出力500Wでも熱損失は問題になりません。

電流制限と電圧制限を制御部で行っているため、

保護回路は内包しています。