Wolfspeed(CREE)のC3M0280090Dによる3レベルPWMアンプを設計します。
ゲートドライバはSi8244, コンパレータはLT1016,
電流検出アンプはLT1995, 電流状態制御と搬送波生成はLT1364,
電圧状態制御とPI制御はLT1498を用います。
DC-DCコンバーターはDPBW03G-05とSPBW03G-15を用います。
LT SPICEシミュレーションの回路図を示します。
搬送波周波数は738kHzですが、上下独立しているため実効的な周波数は2倍になります。
デッドタイムは47nsにしています。クロスオーバー歪みが生じないように十分小さくします。
ゲインは32dB(Av=40)となっています。

+-1.5V, 10kHz矩形波入力時の過渡解析の結果を示します。
LPFの影響を電流状態制御でフィードバックしているため、
オーバーシュートが小さくなります。

FFTの結果を示します。
ノイズフロアは-45dBとなります。
奇数次の高調波だけが見える形になっています。
1.5MHz付近に搬送波のスペクトルが見えます。

電力変換部(LT1016, Si8244, C3M0280090D)のゲインと無駄時間要素の
ラプラス素子とパデ近似による線形平均近似モデルを示します。
BTLなので、差動増幅になっています。

周波数解析の結果を示します。
帯域はDC-31kHz(-3db)となります。
LPFの影響による30kHz付近のゲインの増大が補正されています。
DC結合アンプなので、低域までフラットです。
ゲイン交差周波数は90kHz、位相余裕は-80deg(積分器の影響で90deg遅れている)
となります。

回路規模は大きくなりますが、
効率がよいため出力500Wでも熱損失は問題になりません。
電流制限と電圧制限を制御部で行っているため、
保護回路は内包しています。