300VAトロイダルトランスの突入電流対策と理想ダイオード正負電源の試作

300VA 一次側115V 二次側35Vのトロイダルトランス

(Nuvotem 91253-P2S2)の二次側の突入電流は,

シミュレーションしてみると65Aのピークが最初にやってきます。
なるほど、理想ダイオード電源の基板が燃えるわけです。

inrushcurrent

いろいろ検討した結果、今回は突入電流対策として、NTCを使いました。

NTC thermistors for
inrush current limiting
Leaded and coated disks, P27 series

ICL
EPCOS
B57127P0509M301

5Ω, 20A, 10Wで冷却時定数が200sですが、
正負ともに整流用電解コンデンサ30,000uF、
ブリーダー抵抗が4.7kΩでこちらの方が時定数が長いので、
問題ないようです。

これを2個直列に一次側に取り付けたら、
15Aのヒューズで問題なく動作するようになりました。

シミュレーションでも一次側のピークが20Aから5A、
二次側のピークが65Aから17Aに下がります。

幸い、理想ダイオード電源基板の焼損自体は局所的だったので、
ポリウレタン線でバイパスしたら動作しました。

アンプの電源投入時にも
ブラウン管テレビの電源投入時のような、
突入電流のうなり(100Hzの指数関数的減衰波形)が聞こえます。

また、理想ダイオード正負電源は直流側で+-45Vが得られています。
もたもた測定していたら、テスター棒にバチッと落雷してびびりましたが。(笑)

通常のダイオードブリッジによる整流だと+-42Vなので、
この差はゲートスレッショルド電圧が
4V程度必要なMOSFETアンプには好都合です。

整流用のMOSFETの発熱もほとんどありません。
もはやトランスの方が温かいくらいです。

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