D級GaN MOSFETアンプのスイッチングノイズ対策が完了すると、
今度は電源のリップルノイズが耳に付くようになってきます。
D級アンプは原理的にPSRRが0dBなので、
当然の帰結ではありますが、
トランスとダイオードブリッジによる整流回路では、
リップルノイズが100または120kHzとその高調波になっていて、
丁度、可聴帯域にあるため耳に付くわけです。
対策としては、
リザバーキャパシターをスプリットしてCRフィルターにしたり、
トランジスタでキャパシタンス・マルチプライヤを構成する方法が一般的なようですが、
ここでは2段LCフィルタによるアプローチを取ります。
技術的な詳しい内容は
を参照して下さい。
2段LCフィルターの定数を
L1=33mH, L2=3.3mH, C1=1,000uF, C2=10,000uF とした、
LT SPICEによるシミュレーションモデルはこちらになります。
過渡応答のシミュレーション結果はこちらになります。
フィルター通過前の電圧が赤で、通過後の電圧が緑です。
明らかにリップルが減少しています。
フィルター通過前の電圧のFFTがこちらです。
10倍の高調波(1kHz)まで容易に確認できます。
フィルター通過後の電圧のFFTがこちらです。
100Hzで-7dBの効果, 3倍の高調波(300Hz)までしか確認できません。
これは試作してみる価値がありそうです。