矩形波応答の出力電圧が20V(電源レールが+-45Vなので、
45Vを中心にVdsは振れている)を越えたあたりから、
特に下側のMOSFETのターンオフ時に大きな貫通電流が現れます。
いろいろ調べていくと、どうやらGaN MOSFETの
ドレインソース間容量(Cds=C0ss-Crss, tfに関連)とゲートドレイン間容量(Cgd=Crss, td(off)に関連)が、
ドレインソース間電圧(Vds)20Vから0Vにかけて急激に増大する特性に起因しているようです。
TPH3205WSBQAとFQH44N10の容量特性を引用します。
この貫通電流はものすごいノイズやMOSFETおよびスピーカーの破壊の原因となるため、
対策が必要です。
しかしながら、入力段のゲインを26dBから20dBに下げて、
1.5Vの入力信号時に出力電圧が20Vにすることで対処するのが現実的なようです。
副次的に周波数特性が90kHzまで伸びますが、
出力は8Ω, 50Wとなります。