コンデンサの並列接続による反共振のSPICEシミュレーション

コンデンサを並列接続すると反共振が問題になりますが、

特にコンデンサの種類を積層セラミックコンデンサ(MLCC)に置き換えたときにどのように、

インピーダンスカーブが振る舞うのかを知りたいときがあります。

 

そこで、LT SPICEでシミュレーションするためには、

MLCCのモデルが必要になります。

MurataのSimSurfingから取得します。

部品を選択して、”SPICE Netlist”と書かれた紫のボタンをクリックすると

モデルがダウンロードできます。

シミュレーションの回路図を示します。

AC解析の単純な構成です。

AC解析を実行して、インピーダンスカーブ(周波数特性)が取得できます。

1uFと0.1uFの組み合わせです。

(5MHz, -36dBのピークが反共振)


自己共振周波数(1uFの場合、2MHz, -59dBのインピーダンスカーブの谷)から先は、

インダクタンスとして振る舞うため、

並列接続する容量のオーダーの違いを2倍(1uFと0.01uFの組み合わせ)に広げて比較すると

10dB反共振のピークが上昇することがわかります。

(16MHz, -26dBのピークが反共振)

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電源ノイズ対策とデカップリング

デジタルICの電源ノイズ対策・デカップリング Application Manual
を読んでいて気が付いたことをまとめておきます。

デカップリング(バイパス)のため、コンデンサを組み合わせる際に問題となる

反共振に対する具体的な設計方法が書かれていて、参考になります。

目次より:

6. 電源電圧変動の抑制
6.1 電源インピーダンスと電圧変動の関係
6.2 コンデンサがあるときの電圧変動
6.3 並列コンデンサによるスパイクの抑制
6.4 低ESL コンデンサによるスパイクの抑制
6.5 パルス幅が長いときの電圧変動

7. 電源インピーダンス抑制のためのコンデンサの配置
7.1 IC からみた電源インピーダンス
7.2 IC からみた電源インピーダンスの簡易推定
7.3 IC 直近のコンデンサの配置可能な範囲
7.4 最大許容配線長lmax の目安

8. コンデンサを組み合わせたPDN の構成
8.1 デカップリングコンデンサの階層配置
8.2 PDN のインピーダンス
8.3 コンデンサの階層配置
8.4 PCB 上のターゲットインピーダンス
8.5 バルクコンデンサ
8.6 ボードコンデンサ
8.7 コンデンサの容量設計
8.8 極低インピーダンスのPDN を作るには