MOSFETの寄生発振条件をまとめておきます。
こちらのアプリケーションノートが参考になります。
例として次の2つのMOSFETを取り上げます。
まず、アプリケーションノートの図2.21を引用しておきます。

アプリケーションノートの式(12)が発振条件で、
gm >= (Cgs/Cds)/R3
となって、R3(ドレイン・ソース間等価抵抗)はRg(ゲート抵抗)に反比例となっています。
具体的な数値例を挙げておきます。
IRF200B21: gfs=13S, Ciss=790pF, Coss=62pF, Crss=21pF
gm=gfs=13, Cgs/Cds=(Ciss-Crss)/(Coss-Crss)=(790-62)/(62-21)=18.8
IRFP250N: gfs=17S, Ciss=2159p, Coss=315p, Crss=83p,
gm=17, Cgs/Cds=(2159-83)/(315-83)=8.95
となって、仮にR3=1Ωとした場合、IRF200B21は発振条件を満たしませんが、IRFP250Nは発振条件を満たすことがわかります。
実際のD級アンプの設計では、ゲート抵抗の値とデッドタイムは出力LPFのインダクタに依存するため、発振しない十分大きなゲート抵抗値でデッドタイムを決定する形になります。