WikibooksでAcoustics/Bass-Reflex Enclosure Desginを見つけたので、
要点をまとめておきます。
ポート付エンクロージャーの周波数応答への影響
図2:集中定数回路によるバスレフ・エンクロージャ音響回路のモデル
図3:ラウドスピーカーの振動板およびボイスコイルから見たインピーダンス
ポート付きエンクロージャーの定量解析
ボイスコイルのインピーダンスと放射インピーダンスの単純化による
低周波数(1kHz未満)での集中定数回路モデルの導出
図4:低周波数での等価音響回路
モデルを理解しやすくするための、パラメータの導入
ヘルムホルツ共鳴比(h=ωb/ωs)
容積比(α=Vas/Vab)
クオリティ・ファクター(Ql, Qts)
低周波圧力応答式の展開
体積速度と球面音源の式から
ファー・フィールドの圧力式を展開して伝達関数(H(s)を得る。
アラインメント
伝達関数の理想パラメータを決定するために、
フィルター理論のアラインメントを導入する。
伝達関数は4次ハイパスフィルターの構造をもち、
バタワースやチェビシェフフィルターなどの
伝統的なLPFの極配置アルゴリズムが適用できる。
バタワース・アラインメント
通過帯域の最大平坦化を目的とするアルゴリズム(B4)
準バタワース・アラインメント
3次準バタワースアラインメント(QB3(B>0))と
4次バタワースアラインメント(B4(B=0)の関係
図5:3次準バタワース周波数応答(0.1<=B<=3)
チェビシェフ・アラインメント
通過帯域にリップルを許容するアルゴリズム。
図6:チェビシェフ(0.5dBリップル)とバタワースのハイパス応答の比較
適切なアラインメントの選択
バタワース・アラインメントは、
Ql, Qts, h, αのうち1つを決定すれば、他の3つは一意に決定できる。
準バタワース・アラインメントは、
Qtsが小さくバタワースを構成できないときに、パラメータBを導入して決定できる。
チェビシェフ・アラインメントは、
Qtsが大きくバタワースを構成できないときや、さらに低域応答を広げたい場合に利用できる。
参考文献
等価回路パラメータの計算式
エンクロージャ・パラメータの公式