D級アンプの出力段は、通常、
MOSFET、コイル、コンデンサで構成されます。
特に重要なのが、
スイッチングノードとLPFの構成です。
まず、スイッチング素子としてはMOSFETを通常、用いますが、
どのような特性を重視すべきでしょうか?
結論としては、ゲート電荷(Qg)と出力容量(Coss)になります。
オーディオ用途としては、D級アンプの効率は十分高いため、
オン抵抗はそれほど問題になりません。
音質(サンプリング精度)に直接、影響する、
高速なスイッチングのためには、
ゲート電荷と出力容量が小さい方が有利です。
また、電源のバイパスコンデンサには、
大容量で低ESRのスイッチング用途の
電解コンデンサが通常、用いられます。
LPFのコイルとコンデンサは、
スピーカーを駆動するために、
電流定格が十分大きなものが必要になります。
D級パワーアンプの実態としては、
1MHz程度のサンプリング周波数により
オーディオ信号でPWM変調する
スイッチング電源に、
スピーカーケーブルがアンテナになって妨害電波をまき散らしたり、
搬送波などの高調波でツイーターを飛ばさないように、
EMI対策として
スピーカー駆動用のLPFがついた
構成になります。
ヘッドホン用のソリューションなどには、
LPFのない構成もありますが、
専用のコントローラICが必要になります。