USBアイソレータのまとめ

オーディオ・インタフェースとしてUSBポートを利用する際に、

エアコンのインバータやPCの電源の影響を絶縁する必要が生じる場合があります。

調べてみると、いろいろあるようなので、まとめておきます。

 

USB2.0の12Mbpsまでのソリューションで、

絶縁型DC/DCコンバータを含まないタイプだとこちら。

ADuM3160

ADuM4160

 

絶縁型DC/DCコンバータを含むタイプだとこちら。

LTM2884

NMUSB202MC

NMUSB2022PMC

 

USB3.0だと、流通にのっていませんが、

こちら。

APISU30-F6-USBCN

APISU30-F6-USBCN-NODC

 

USBの場合、

信号の絶縁と電源の絶縁、両方を行う必要があるので、

注意が必要です。

絶縁電圧は、

一般家庭のオーディオ用途であれば、

低い方で十分だと思います。

多チャンネルのオーディオ・インタフェースは、

USBオーディオ・ディバイスを複数ホストした

USBコントローラとして、

認識されるものもあるようで、

USBアイソレータがハブをカスケードできるかの確認が必要です。

 

 

 

トランスの補助巻線による電源供給その2

トランスの補助巻線による電源供給について補足です。

 

100-W Universal Line Input PFCBoost Converter Using theUCC38050

では、補助巻線の出力をC7:100 uF, R10: 220 Ohm 1W, C6: 100 uFでフィルターしています。

SLUU134B-sch

2次CRローパス・フィルタ数計算ツール

を用いて、

250m Ohm, 100uF, 220 Ohm 100uFで計算してみると、

fc=214Hz, -80dB@20kHzとなることがわかります。

2nd-Order-CR

比較のために、

CRローパス・フィルタ数計算ツール

を用いて、

250m Ohm, 220uFで計算してみると、

fc=2894Hz, -20dB@30kHzとなることがわかります。

1st-Order-CR

LTspiceによるシミュレーションでも、

容易に確認できますが、

補助巻線の周波数が100kHzと高いため、

平滑コンデンサの分割(Split Reservoir Capacitor)による

フィルタ構成の効果が大きいことがわかります。

 

トランスの補助巻線による電源供給

トランスの補助巻線による電源供給についてまとめておきます。

 

PFC Chokeを例にしています。

LT1249760805410でLTspiceでシミュレーションしてみます。

 

まず、定常状態のAC半周期(50/2=25Hz=40ms)における補助巻線の電圧です。

巻線比が39:4で出力電圧が382Vなので、

382/39*4=39Vの矩形波電圧の包絡線の底が

-14Vまで下がるような形で変化することがわかります。

 

この補助巻線電圧にR=220 Ohm, C=0.015uFを介して、

ショットキーダイオードで整流して、

Chold=200uFのホールドキャパシタと

18VのZenerダイオード(1N4746A(Iz=14mA)など)で、

Vcc電圧にしています。

Vcc電流は(Vaux-Vz)*C*f=(39-18)*0.015u*100k=31.5mAに

Rで電流制限をかけた値になるようです。

 

次に、Vcc電圧の起動時の様子です。

PFCのスイッチングが始まる

Vcc Turn-On Threshold=16.5Vまでは、

ブリッジ整流器の出力から抵抗を介して、

トリクル充電されていき、

スイッチングが始まると、

一時的に電圧が下がるため、

Vcc Turn-Off Threshold=10.5V

を下回らないように、

RとCholdを調整すればよいようです。

最終的に、Zenerダイオードで18Vにシャントされます。

 

なお、UCC38050の場合は、

Vccが内部Zenerでクランプされているため、

Input current into VCC clamp=30mA

の最大定格を超えないようにする必要があります。

 

トランスのLTspiceモデルのパラメータ化

1次側インダクタンス(Lp)、1次側巻数(Np)、2次側巻数(Ns)をパラメータとして、

トランスのLTspiceモデルを構成する場合に、

面倒な計算をしないですむ方法などをまとめておきます。

 

LTwikiのリンクが参考になります。

Transformers: Okay, but calculating winding inductances is tedious. Is there some way to just enter a turns count for all the windings?

 

.paramでLp, Np, Nsを与えて、

巻数の2乗あたりのインダクタンス(Kn=Lp/Np**2)を導出パラメータとして計算しておき、

コイルのインダクタンスを{Np**2*Kn}のように

パラメータの計算式で指定する方法です。

 

そのほかにも詳細なトランスのモデル化が必要なアプローチがまとまっていて

とても参考になります。

 

LNK3294による400V入力12V出力の補助電源の回路設計

LinkSwtich-TN2による400V入力12V出力の補助電源の回路設計をまとめておきます。

こちらのリンクが参考になります。

LinkSwitch-TN2 Data Sheet

RDR-737 – 1.44 W Non-Isolated Buck Converter Using LinkSwitch-TN2 900 V

補助電源をACやPFCの出力から降圧コンバータを少ない部品で構成できます。

 

その他主要部品:

ダイオード:

UF4007

SBYV26C

コイル:

RLB9012-152KL

 

 

 

絶縁型AC/DCコンバータの接地方法

絶縁型AC/DCコンバータの設置方法をまとめておきます。

こちらのリンクが参考になります。

絶縁型のAC/DCコンバータでは感電しない理由

 

結論としては、

AC入力のニュートラルとアースを接地し、

1次側はフロートでYキャパシタを経由して2次側から接地する

となります。

 

1次側を直接、接地してしまうと、

PFC/LLCなどの一次側からAC入力のニュートラルへの

グランドループが発生して、

漏電遮断器が作動します。

 

また、1次側を直接、接地してしまうと、

グランドからブリッジダイオードの整流ノイズや

PFCのスイッチングノイズが回り込むようです。

 

LT8315による400V入力12V出力の補助電源の回路設計

LT8315による400V入力12V出力の補助電源の回路設計をまとめておきます。

 

補助巻線がないトランスによるLLCコンバータなどで

12Vの補助電源を400VのDCバスから直接、

構成することを想定しています。

 

データシートに載っている、

入力電圧範囲の広い非絶縁型12V降圧コンバータ

の回路を参考にしています。

 

回路の特徴としては、

LT8315のBIASで、LT8315のGNDが

ブートストラップされる構成のようです。

DCMには高電圧がかかるため、

抵抗の損失を考慮する必要があります。

 

出力電圧は

13VのZener-整流ダイオードのVfで

FBをかけています。

 

電流制限用のSOURCE抵抗の値は、

0.47Ωでは電圧が出ないので、

0.33Ω以下がよいようです。

 

出力インダクタンスの許容電流は、

最大出力電流を考慮する必要があります。

LTspiceの回路図です。

 

LTspiceの過渡解析です。

350ms程度で12Vにレギュレートされるようです。

 

LLCコンバータのLTspiceシミュレーションその2

より簡単なLLCコンバータのLTSpiceシミュレーションを見つけたのでまとめておきます。

こちらのリンクが参考になります。

LLCコンバータの設計方法【詳細説明】

 

LTSpiceモデルのポイントとしては、

MOSFETをスイッチとダイオードで構成して、

ハーフブリッジの上下2つのスイッチを、

2つの電圧源でPULSEの位相を半周期ずらして駆動しています。

 

また、2次側出力電圧は初期値として与えてあるので、

定常状態になるように、スイッチング周波数で

2次側出力電圧を制御できることがわかります。

 

LTSpiceの回路図です。

LTSpiceの過渡解析の結果です。

トランスの共振電流(緑)、

励磁電流(青)、

1次側電流(赤)

をプロットしています。

共振キャパシタは、

スプリットにしてグランド側に

配置するトポロジーもあります。

 

2次側は、カレントダブラの単電源の構成から、

両電源とするためにセンタータップのブリッジ構成としています。

 

2次側の出力キャパシタの後に、

LCフィルタを構成してリップルを減少させています。

 

ブートストラップ回路の最適設計

ブートストラップ回路の最適設計をまとめておきます。

 

こちらのアプリケーション・レポートが参考になります。

Bootstrap Circuitry Selection for Half-Bridge Configurations

 

ここでの設計課題は、ブートストラップ・ダイオードの選定です。

SBD(STPS2150)とFRD(STTH1R02)のどちらが最適かを検討します。

 

ハーフブリッジ・ドライバをSi8244,

ブートストラップ抵抗を1 Ohm,

ブートストラップ・コンデンサの容量を1uF,

バイパス・コンデンサの容量を10uFとして、

電源レールが+-48V、

スイッチング周波数が1MHzのD級 GaN FET(TPH3206PS)アンプの

アイドル時の様子を

LTspiceでシミュレーションしてみます。

 

まず、逆回復電流の過渡解析です。

SBDはほとんど発生しません。

FRDは-100mAほど発生します。

 

つぎに、出力電圧のノイズフロアのFFTです。

SBDは-97dBです。

FRDは-82dBです。

 

結論として、高速D級アンプでは、

ブートストラップ・ダイオードの選択によって、

ノイズレベルに大きな違いがでます。

 

トランスリニアバイアス回路とLT1166

トランスリニアバイアス回路についてまとめておきます。

 

LT1166 – パワー出力段自動バイアス・システム

トランス・リニア・バイアスによるパワーアンプ

黒田式トランスリニア・バイアス回路の起源?

 

LT1166のデータシートから引用します。

乗算器の動作

 

図2にLT1166内部の電流乗算器回路と、

出力トランジスタとの関連性を示します。

LT1166の電源電圧VT(トップ)とVB(ボトム)は、

パワー・デバイスの所要“オン”電圧によって設定されます。

また、基準電流IREFで、VBE7とVBE8が一定電圧に設定されます。

この電圧はQ9とQ10のエミッタ・ベース間の電圧で、

Q7とQ8のエミッタ部分の1/10になります。

この電流乗算器に対応する式は、以下のとおりです。

VBE7+VBE8=VBE9+VBE10

あるいは、電流に関しては、以下のとおりです。

(IC9)(IC10)=(IREF)2/100=一定

IC9とIC10の積は一定です。

これらの電流はミラーされ、

内部オペアンプ・ペアの(+)入力の電圧を設定します。

オペアンプの帰還によって(-)入力の電圧が等しくなり、

これらの電圧はパワー・デバイスと直列に接続されるセンス抵抗に現れます。

パワー・デバイスの2つの電流の積は一定で、

一方が増加すると他方が減少します。

Q9とQ10は対数特性に優れているため、

10倍単位の電流変動においてもこの関係が維持されます。

Q7とQ8の全電流は実際には、

IREFとシャント・レギュレータの小さな誤差電流の和になります。

高い出力電流条件では、レギュレータからの誤差電流は減少します。

レギュレータによって流れる電流も減少し、

パワー・デバイスをドライブするのに必要なだけVTまたはVBを上昇させることができます。

 

トランスリニアバイアス回路は、

原理的に電流積が一定なので、

バイアス電流が0にはなりません。

(バイアス電流が0になると電流積が0になってしまい、一定にならない)

 

LT1166によるトランスリニアバイアス回路の実装は、

ソース抵抗(エミッタ抵抗)を

バイアス電流の検出抵抗として利用しているため、

エミッタ抵抗レスの構成にするには、

他の電流検出方法を検討する必要があります。