D級オーディオパワーアンプにおけるデメリットの解消方法と音質改善につてまとめておきます。
以下のリンクが参考になります。
アプリケーションノート 3977 D級アンプ:基本動作と開発動向

最初に、一般的なD級オーディオパワーアンプの設計課題をあげておきます。
- PSRRの向上
- 周波数特性の向上
- スイッチングノイズ対策(EMI)の向上
まず、PSRRの向上に関しては、スイッチングノード(プリフィルタ)のフィードバックが必要です。
実際の設計としては、電圧モードの自励発振式(ΣΔ変調)での対応が容易です。
次に、周波数特性の向上に関しては、ポストフィルタのフィードバックが必要です。
実際の設計としては、電流モード(インダクタ電流検出)の他励式として状態フィードバックによるPI制御での対応が容易です。
最後にEMIの向上に関しては、ZVS、CMC、スペクトラム拡散(自励発振式のPDM)での対応が容易です。
BTLであれば、フィルタレス変調方式(3レベルPWM)もありますが、より複雑になります。
最近の薄型テレビやスマートフォンなどはICによるD級アンプですが、音質に不満はありません。
また、試作したZVS自励発振式電流モードD級アンプの音質も、電源からトータルで回路設計を詰めたので、十分な基本性能(SNR, 周波数特性)に到達しています。
スペックで評価できない動的な聴感としては、トリオジャズのベース、ピアノ、キック、ブラシ、シンバル、ミュージシャンのハミングがUSBインタフェース(DAC)のヘッドホン出力で聴くよりもリアルにスピーカー(8cm/38cm)で音楽を体感できます。