D級アンプのコモンモードノイズ対策

D級アンプのコモンモードノイズ対策

D級アンプのコモンモードノイズ対策をまとめておきます。

こちらの資料が参考になります。

電磁ノイズが発生するしくみ

ノイズ問題を複雑にする要因

空間伝導と対策

導体伝導とコモンモード

バラン (電子工学)

まず、D級オーディオパワーアンプを外側から見ると、AC電源ライン、オーディオ信号入力ライン、スピーカー出力ラインの3つのラインがつながっています。

したがって、この3つのラインそれぞれに対してコモンモードノイズ対策を施す必要があります。

まず、AC電源ラインの対策ですが、これは市販のインレット一体型のフィルタで十分です。中身はコモンモードチョークやXコンデンサ、Yコンデンサで構成されています。

問題はアース(E)で、日本の場合AC100V(単相3線式)の屋内配線の場合、中性線(N)が接地されているため、LおよびNのラインがEに対してバランスしていません。

また、フィルタアウトされたコモンモードノイズ電流はEラインに流れるため、FGとEの間にアースインダクタなどをかませる必要があります。

ACラインにつながるPFCおよびLLCコンバータなどのスイッチング電源は、非常に大きなコモンモードノイズを発生しますが、最終的にはLLCコンバータの2次側につないだコモンモードフィルタでノイズ電流をFGに落とします。

2次側の先にはD級アンプがつながりますが、D級アンプ自体がスイッチング電源(降圧コンバータ)なので、コモンモードノイズをスピーカー出力に対して放出します。

また、D級アンプ自体はシングルエンドのアンプとしてハーフブリッジを構成するため、入力信号を処理する部分のグランドや信号線にコモンモードノイズが回り込みモード変換によってノーマルモードのノイズとなります。

さらに、D級アンプの筐体内はコモンモードノイズの電界強度が高いため、筐体内の配線にも飛び込みます。

したがって、オーディオ信号の入力ラインはバランス入力にして、平衡ラインレシーバでアンバランス信号に変える必要があります。

スピーカ出力に対しては、スピーカーケーブルがアンテナになるため、コモンモードチョークなどでバランを構成する必要があります。

なぜなら、スピーカーをシングルエンド(アンバランス)で駆動する場合、スピーカーユニットのムービングコイルでモード変換が起こるため、コモンモードノイズが音波として放出されるからです。

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