D級アンプとCTSD ADC(連続時間型ΣΔADコンバータ)の関係をまとめておきます。
こちらの資料が参考になります。
連続時間型のΣΔ ADC により、データ・アクイジション用のシグナル・チェーンを簡素化
高い精度を実現する連続時間型のΣΔ ADC【Part 1】高精度のADCを含むシグナル・チェーンの設計時間を短縮する
高い精度を実現する連続時間型のΣΔ ADC【Part 2】シグナル・チェーンの設計者がCTSDについて理解しておくべきこと
高い精度を実現する連続時間型のΣΔ ADC【Part 3】エイリアス除去の能力を備える固有のアーキテクチャ
高い精度を実現する連続時間型のΣΔ ADC【Part 4】駆動が容易な信号入力部とリファレンス入力部、シグナル・チェーンの簡素化が可能に
高い精度を実現する連続時間型のΣΔ ADC【Part 5】 非同期サンプル・レート変換によるデジタル・データ・インターフェースの簡素化
まず、アナログ回路による自励式D級アンプのコンポーネントとデジタル回路によるADCのコンポーネントとの対応関係を整理します。

CLOCKと1BIT DACに相当するのは、自励式の場合スイッチングノードの方形波になります。
サミングポイントに相当するのは、積分回路を構成するオペアンプの反転入力になります。
デジタルフィルターとデシメータに相当するのは、D級アンプ出力のLCフィルターになります。
アナログD級アンプの場合、量子化ノイズの影響はシングルビット相当になります。
またオペアンプによるアナログ積分回路の場合、1次もしくは2次のCRフィルター(量子化ノイズに対するハイパスフィルター)で構成できます。
オーディオ信号(20-20kHz, +-1.5V程度)の積分回路に用いるオペアンプの仕様としては、FET入力、オープンループゲインが120dB以上、GB積が10MHz程度、スルーレートが20V/us程度のものが扱いやすいです。なぜなら、800KHz程度の方形波を入力して三角波に変換する形で利用するからです。電源電圧(+-5V程度)によっては、コモンモード入力電圧範囲が狭いと使えない場合があります。