D級アンプの出力フィルタの試作

D級アンプの出力フィルタを試作しました。

こちらの記事が参考になります。

DC-DCコンバーターの出力フィルタリング
フィルターレイアウトを考える

主要部品:

コモンモードチョーク: PA2756NL

設計パラメータ:

100W D級アンプ(fc: 48kHz@8Ω)にあわせて、

fc=~48kHzとなるように、LCを選択。

 

出力フィルタの性能をLTspiceでシミュレーションしてみました。

コモンモードチョークのモデルはこちらを参考にしています。

コモンモードチョークコイルの等価回路構築(理論)

コモンモードチョークコイルの等価回路構築(実践)

LTspiceの回路図
スピーカー出力のFFT
試作した出力フィルタ

黒のコモンモードチョーク(484uH, 8A)、

黄色のXコンデンサ(10uF, 250V)、

水色のYコンデンサ(0.022uF, 250V)を

黒のユニバーサル基板に左右それぞれ、実装しています。

D級アンプのシングルエンド出力をYコンデンサでフロートして、コモンモードノイズをアースに逃がす形になっています。

実際の音はというと、電流モードD級GaN FETアンプおよびCHR70v3での評価ですが、高域が明瞭になり、ハイハットやシンバルの響きがクリアになります。また、ボーカルのエコーなども明瞭になります。

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USBフィルタの評価

829999STICKを入手したので、簡単な評価をまとめておきます。

829999STICK

写真では、RT-USBVAC7QC, 829999STICK, GV-USB2の順に接続しています。

829999STICKは、USBフィルタの構成としては、D+, D-にCMC, VbusにT型フィルタとなっています。これらにさらにTVSでESD保護をかけています。

GV-USB2はケーブルテレビをPCで視聴するのに利用していますが、ノイズがUSBオーディオインタフェースに回り込むのがこれまで気になっていました。

また、GV-USB2はHigh-Speedで動作するため、Full-SpeedまでしかサポートしないUSBアイソレータは利用できません。

そこで、829999STICKのようなUSBフィルタを適用してみたところ、ノイズ対策としては十分なようです。

RT-USBVAC7QCはUSBの状態の確認に便利です。

USBアイソレータの評価その2

CN0419を入手したので、簡単な評価をまとめておきます。

CN0419

ADuM4160でデータをADuM5020でパワーを絶縁しています。

フィルターや保護回路も実装されています。

電源供給能力が0.5Wしかないので、

2.5W必要とするようなバスパワーのUSBオーディオインタフェース(UMC202HD)は駆動できません。

ACアダプタを接続した16bit, 44.1kHz, 2chのUSBオーディオインタフェース(B3)は、問題なく駆動できました。

また、Full Speedまでなので、24bit, 48kHz, 2chまでしか対応できません。

自作するなら、ADuM5020の代わりに、

3Wの絶縁型DC/DCコンバータを使用して、

バスパワーを2.5Wまでサポートできるようにするのが良さそうです。

こちらの記事が参考になります。

ADuM3160によるUSBアイソレータの製作

USBアイソレータの評価その1

NMUSBEVALEXCを入手したので、簡単な評価をまとめておきます。

NMUSBEVALEXC

絶縁型の2ポートUSBハブとして動作するタイプです。

USB Type Bの入力データポートにフィルタも実装されています。

電源はホストPCの他のUSBポートからMicroUSBで給電しています。

USB Type Aの出力2ポートがスタックで実装されています。

USBの出力ポート側にUMC202HDを接続したところ、ホストPCには48kHz/24bitのデバイスとして認識されます。

ホストPCのUSBポートに直結した場合は192kHz/24bitまで選択できるので、転送レートに制限があるようです。

また、FCA1616は認識されませんでした。

肝心のフィルタ効果としては申し分なく、PC側の他のUSBデバイスのノイズの干渉は感じられなくなります。