トランスの補助巻線による電源供給についてまとめておきます。
PFC Chokeを例にしています。
LT1249と760805410でLTspiceでシミュレーションしてみます。
まず、定常状態のAC半周期(50/2=25Hz=40ms)における補助巻線の電圧です。
巻線比が39:4で出力電圧が382Vなので、
382/39*4=39Vの矩形波電圧の包絡線の底が
-14Vまで下がるような形で変化することがわかります。
この補助巻線電圧にR=220 Ohm, C=0.015uFを介して、
ショットキーダイオードで整流して、
Chold=200uFのホールドキャパシタと
18VのZenerダイオード(1N4746A(Iz=14mA)など)で、
Vcc電圧にしています。
Vcc電流は(Vaux-Vz)*C*f=(39-18)*0.015u*100k=31.5mAに
Rで電流制限をかけた値になるようです。
次に、Vcc電圧の起動時の様子です。
PFCのスイッチングが始まる
Vcc Turn-On Threshold=16.5Vまでは、
ブリッジ整流器の出力から抵抗を介して、
トリクル充電されていき、
スイッチングが始まると、
一時的に電圧が下がるため、
Vcc Turn-Off Threshold=10.5V
を下回らないように、
RとCholdを調整すればよいようです。
最終的に、Zenerダイオードで18Vにシャントされます。
なお、UCC38050の場合は、
Vccが内部Zenerでクランプされているため、
Input current into VCC clamp=30mA
の最大定格を超えないようにする必要があります。