LLC共振ハーフブリッジ・コンバータを試作しました。
200W DC385V入力, DC+-48V出力で設計しています。
主要部品としては、以下の部品を使用しています。
PFCコントローラ: UCC256404
LLC用トランス: 760895651
MOSFET: IPA60R170CFD7
2次側整流ダイオード: STPS30M100S
2次側オプトカプラ・ドライバ: LT4430
デジタル・アイソレータ: Si8710AC-B-IS
実際に試作してみたところ、
Excelの設計ツールのISNSで、電流検出抵抗Risnsの計算値に誤りがありました。
UCC25640x Design Calculator (Rev. B)
また、BW, LL/SSの抵抗分圧器の設定が複雑で依存関係があるのと
データシートのBurst ModeのOptionの設計方法の説明が不十分で誤りもあり、
設定値の合わせ込みや調整に時間がかかりました。
データシートの他に、
こちらの資料も見ておいた方がよいと思います。
Migrating to UCC25640x from UCC25630x
なお、無負荷時10mA程度の設計なので、
Option 3のBurst Modeに設定しています。
現在、GaN FETアンプの電源として、
CHN70のTLスピーカを出力、UMC202HDを入力として、
PCのYouTubeを音源としてエージングもかねて、
臨界モードPFCとともに使用して評価しています。
調整中に2次側をフロート、1次側を接地、NTCなしで、
立ち上げたところ、漏電遮断機が落ちてしまったので、
NTCを追加して、
2次側と1次側をインレットのアース端子に筐体内で接地して、
商用電源にはアースなしで接続しています。
無信号時のフロアノイズとしては、
ハードスイッチングのACアダプタとは異なり、
可聴帯域のノイズは、100Hz付近が少し盛り上がる程度です。
おそらく、AC100V入力のダイオードブリッジの逆回復ノイズと
PFCチョークの誘導ノイズだと思われます。
空中配線を変更するだけで、軽減できます。
これまでの、
300VAトロイダルトランスとコンデンサ・インプットSiC SBDの電源と比較しても、
100Hz付近のノイズは低減し、電源レールのレギュレーションは向上しているため、
D級アンプの電源としては、PFC+LLC電源が適していると思います。
高効率で低背のソフトスイッチング電源によるD級アンプの音は、
なかなかよいです。