12dB/OctのHPFの設計をしていて、
肩特性(Q)の値が気になったので、まとめておきます。
既存の設計例として、手持ちの機材を調べてみました。
カットオフ周波数(fc)とQ(クオリティ・ファクタ)は
RLCハイパス・フィルタ計算ツールで計算しています。
Teac S-300: 6 Ohm, 3.3uF, 0.4mH: fc=4.4kHz, Q=1.8
Dayton 4K-HPF-8: 8 Ohm, 2.5uF, 0.64mH: fc=4.0kHz, Q=2.0
自作例1(Pioneer S-ST05): 8 Ohm, 1uF, 0.15mH: fc=13kHz, Q=1.5
自作例2(ONKYO D-N7TX): 4 Ohm, 2.2uF, 0.33mH: fc=5.9kHz, Q=3.1
普通に設計すると結構、高めのQで肩が盛り上がります。
バタワース・フィルタ(平坦特性)はQ=0.71なので、
低めのQを実現するには、Lの値を下げて、
Cの値を上げればよいようです。
例えば、
8 Ohm, 1.5uF, 0.1mH: fc=13kHz, Q=1.0
4 Ohm, 6.8uF, 0.1mH: fc=6.1kHz, Q=0.96
といった感じです。
現実の設計で実現可能なQの範囲は、
入手可能もしくは調整可能な素子定数に依存します。
また、ツイーターのインピーダンス特性を一定と見なした設計のため、
実際の聴感状の特性とは一致しないようです。