PMCのATLのカットモデルやスペックを見ていて、
気がついたことがあります。
twenty5.26iのエンクロージャー、高さは1.04mで、
カットモデルを見る限り、
ドライバ側とポート側の仕切り板を閉端と見なした場合の
トランスミッションラインの物理的な長さは、
約2.08mとなります。
ところが、スペックの有効ATL長さ(Effective ATL Length)は、
およそ1.5倍(高さの3倍)の3.3mとなっています。
これは、どういうことかと推測すると、
ドライバを閉端、ポートを開端とする直管と見なした場合の
有効長ということのようです。
思考実験としては、以下のような手順になります。
- ドライバの位置をドライバ側の仕切り板の鏡像位置に展開する。
- さらに、天板の鏡像位置に展開する。
- ポートの位置を仕切り板の鏡像位置に展開する。
- さらに、底版の鏡像位置に展開する。
この手順に基づいて、
曲がりを無視した1次元モデルで計算すると、
エンクロージャーの高さをhとした場合、
3hになることがわかります。
さらに、この設計モデルでは、
仕切り板と天板および底版の位置関係で、
定在波を比例分割できるため、
およそ1:2の位置にすると、
3, 5, 7倍の波長をアラインできるようです。
さらに、PMCの他のカットモデルの例をあげておきます。
ドライバとポートをオフセットして吸音材で長さを調整しているモデル
これは、試作して検証してみる価値がありそうです。