WP-FL10のバスレフにおける設計をまとめておきます。
WP-FL10のデータシートに載っている情報は、
TSパラメータの一部と周波数特性のグラフだけです。
まず、spedで必要なTSパラメータを導出します。
Re(Rdc)は、WP-FL10の実測値(7 Ohm)です。
Blは、周波数特性のグラフが88dB程度になる値(3 Tm)としています。
Leは、FF105WKの値(0.041 mH)を参考にしています。
他のTSパラメータは、TSパラメータについてを参考に計算すると、
このようになります。
次に、エンクロージャーですが、
FF105WKのデータシートを参考にしたものが入手しやすいようです。
spedでのシミュレーションの様子です。
最後に、バスレフ方式の設計法を参考に、
エンクロージャー容量とダクトの共振周波数の関係を
評価((Fd/Fs)^2/(Vas/Vo))=1が目標値)します。
0.95となって、おおむね良さそうです。
実際に試作して音を確認してみると、
100Hz付近に盛り上がりがありますが、
自然な感じの低域になっています。
m0(Mms)が2.5gと軽く、
f0(Fs)が61Hzと低いため、
ユニットのインピーダンス曲線のQが広くなっているのが
効いているようです。