バスレフの最適設計

バスレフの最適設計のポイントをまとめておきます。

等価回路によるスピーカー低域特性の解析とキャビネット設計法

を参考にしています。

最適化の対称はバスレフ共振周波数付近の周波数特性の平坦性です。

 

これまでに実際に試作したバスレフのパラメータ例を2つまとめておきます。

ユニットのTSパラメータはデータシートから取得し、

エンクロージャーのVo, Fdは

吸音材の厚みを5mmとして板厚を補正したモデルで、

spedでシミュレートして求めています。

Case1: FF105WK, WK10mFN, P43-123

Case2: CHR70v3, NC7, STBP35-103

 

設計の手順としては、

通常、まずユニットを選択します。

考慮すべきT/Sパラメータとしては、Vas, Fs, Qtsとなります。

Qtsは0.5を大きく超えると平坦特性は実現できません。

 

つぎに、エンクロージャーの容量を選択します。

Vasとの比率を考慮する必要があります。

容量を大きくすると共振周波数を下げられますが、

群遅延とのトレードオフになります。

 

最後に平坦条件:(Fd/Fs)^2/(Vas/Vo)=1に近くなるように、

バスレフポートの共振周波数を調整します。

ポートの断面積が圧力に関連していてばね定数が決まり、

ポートの長さでおもりの質量を調整していることになります。

 

考察としては、

Case1(FF105WK)は、Vas/VoとFd/Fsがともに1に近い設計で、

最低周波数よりも群遅延を優先して、キレのある低音になっています。

 

一方、Case2(CHR70v3)は、エンクロージャーの容量を大きくした設計で、

最低周波数を50Hzまで下げて、豊かな低音になっています。

群遅延の上限は20ms(50Hz)程度のようなので、ほぼ限界的な設計だと思います。

 

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