FF105WKでバスレフ(fd=67Hz)を構成してみました。
テストトーンによる測定では、55Hzまで出ています。
10cmのフルレンジとしては、十分なレベルだと思われます。
データシートの周波数特性はこんな感じです。
7.5kHzにリッジコーンによるとおもわれるピークがありますが、
30度の特性では収まっているので、
実用上は問題ありません。
しかしながら、ユニットを傾けて取り付けたり、
エンクロージャーを横置きする場合は、
注意が必要と思われます。
実際に、7.5kHzの帯域をイコライザで、
調整してみると、シンバルや
ギターのタッチノイズの音域であることがわかります。
音の印象としては、
上から下まで緻密な音で、低音は空気の揺らぎまで感じます。
これは、BL積=4.823 Tesla/mに寄与している強力なマグネットと
2層コーンおよびアップロール・エッジによるものと思われます。
実際、ユニットの取り付けの際には、
スチールのフレームにスクリュードライバが引きつけられます。
吸音材としてニードルフェルトをバッフル面の内側を除いた5面に貼っていますが、
バスレフにもかかわらず、制動の効いたこぎみよい低音が出ます。
バスレフ専用設計をうたうユニットだけのことはあります。
また、リッジドームのおかげで、
シンバルやブラシなどの金物の音も不満なく聴けます。
ボーカルはペーパーコーンなので、これまたよい感じです。
ロングセラーを続けるユニットだけに、
リファレンスとして持っておくとよいと思います。