3レベルPWMD級アンプのPSRRを向上するために、
搬送波に電源変動のフィードバックをかける方法を
こちらの回路でその後いくつか試した結果、
このような搬送波生成回路への電源変動フィードバック回路にたどり着きました。
回路のトポロジーとしては、
シュミットトリガ回路の矩形波から三角波を生成している積分器に、
3レベルPWMの出力(BTLスイッチングノード差動出力)と、
電源レールの中点電位(電源レールの対称的な変動を相殺した後の残差)を
フィードバックする形をとります。
つぎに、過渡解析の結果を示します。
緑が3レベルPWMのフィードバック(PSA)、
青が電源レールの中点電位のフィードバック(PSB)、
赤がフィードバックを受けた三角波(TW)です。
意味合いとしては、電源レールの電圧変動の振幅と中心を
フィードバックしていることになります。
これで、正弦波の入力振幅電圧によりますが、
LTSpiceのシミュレーションでは、
3レベルPWMアンプの出力のTHD20が
0.1V正弦波入力時で0.18%から0.13%、
1.5V正弦波入力時で0.34%から0.27%にそれぞれ下がります。
2回路のオペアンプが追加で必要になりますが、
PSRRが重要で電源の安定化ができない、もしくは、
したくない場合には、
有効なアプローチだと思われます。