LTC3721-1によるプッシュプル200W 50V正負電源の基板設計です。
こちらの資料が参考になります。
EAGLEの回路図はこちら。
基板設計はこちら。
上面のパターンはこちら。
下面のパターンはこちら。
トランス(HPH6-2400L)が面実装なのと、
ブリッジ整流(STTH1502FP)とコモンモードチョーク(744844470)など、
パワー系のパターンの引き回しに工夫が必要でしたが、
80x100mmのサイズに収まりました。
LTspiceによる回路シミュレーション、EagleによるPCB設計、試作、EMSによる頒布まで
LTC3721-1によるプッシュプル200W 50V正負電源の基板設計です。
こちらの資料が参考になります。
EAGLEの回路図はこちら。
基板設計はこちら。
上面のパターンはこちら。
下面のパターンはこちら。
トランス(HPH6-2400L)が面実装なのと、
ブリッジ整流(STTH1502FP)とコモンモードチョーク(744844470)など、
パワー系のパターンの引き回しに工夫が必要でしたが、
80x100mmのサイズに収まりました。
比較的簡単に作れる入力AC100V入力, 出力200W, DC+-50VのD級アンプ用プッシュプル電源を設計します。
まず、ループ補償の設計に必要な資料(AN149)と主な部品をあげておきます。
回路はLTC3721-1のデータシートに出ているものを踏襲しています。
Modeling and Loop Compensation Design of Switching Mode Power Supplies
つぎにLT Spiceでのシミュレーション用の回路図を示します。
最後に200W(50Ω, 2A, 100V(+-50V))負荷時の過渡応答を示します。
緑が出力電圧(+50V)、青がCMC(744844470)の電流、赤が2次側電圧のフィードバックです。
CMCによる2段LCフィルタ正負CTトランス電源の基板設計です。
整流用ダイオードは、STTH1502FP,
CMCは、7448050530, 7448024503を選択。
回路図はこちら。
配線図はこちら。
上面のベタパターンはこちら。
下面のベタパターンはこちら。
部品数が少ないので、簡単に作れます。
以前、Second-Stage LC Filter Designに基づいて
試作した2段LCフィルタによる正負電源の問題点
(CMCの正負電源での使い方)がわかったので、
再度、LT Spiceで設計してみました。
トランスのCTによるブリッジ整流回路に、
2段LCフィルターをCMCで構成しています。
正負で電流の方向を考慮して、
CMC(7448050530, 7448024503)に接続します。
1次側には突入電流対策として、
ICL(NTC)を接続しています。
2段LCフィルターの定数としては、
L1=30mH, C1=4700uF, L2=3mH, C2=20,000uFとしています。
電源投入時の正側の過渡応答です。
(出力電圧(緑)、1段目L電流(赤)、2段目L電流(青))
負荷は1k Ohmです。
出力電圧のFFTです。
第1ポール(6Hz), 第2ポール(47Hz)なので、
電源周波数50Hzのブリッジ整流に伴う、
100Hzおよびその高調波のリップルが
きれいに抑制できるようです。
トランジスタ技術 2003年8月号 特集:ディジタル・アンプ誕生!
第6章 出力電圧の精度と電源容量の決め方がポイント!
ディジタル・アンプ用電源回路の設計 :本田 潤 252Kバイト
Appendix
実際のディジタル・アンプ用スイッチング電源 :大和 一夫/狩野 ラワジフ
を読んでいて以下の記述を見つけました(p. 190)。
正負両電源に最適なカップルド・インダクタ
●軽負荷になると出力電圧が上昇する
>コイル電流のゼロ区間が生じることが原因
●対策はコイルに電流を流し続けること
>コイル電流にゼロ区間が生じる回路のコイルと、
コイル電流が流れ続ける回路のコイルとで、
コアを共有すると電流が連続的になります。
>>さて、D級出力段の電源は、
正負の出力回路のうち、
どちらか一方は必ず電流が流れているはずです。
となれば、カップルド・インダクタが
ディジタル・アンプ用電源に適していることは
自明の理ですね。
というわけで、LTSpiceで効果を検証してみました。
まず、LTC3722-1によるZVS-PSFBの
CTトランス(760895451)による正負両電源に、
カップルド・インダクタ(744844470)を適用した回路です。
センタータップによる両電源構成なので、
正負の電流の向きを考慮して、
カップルド・インダクタ(コモンモード・チョーク)を
平滑コンデンサの前に接続します。
次に、軽負荷(1kΩ, 100V(+-50V), 0.1A, 10W)時の
結合係数1の場合と0の場合における、
出力電圧(緑)とチョークコイルの電流(青)の
過渡解析による比較です
結合あり
結合なし
最後に重負荷((33Ω, 100V(+-50V), 3A, 300W)時の場合です。
結合あり
結合なし
興味深いことに結合ありの時は、
インダクタ電流の振幅(リップル)が小さくなって、
最大出力電圧が増大するようです。
磁気回路は奥が深いですね。
オーディオパワーアンプは通常、ライン入力ケーブル、スピーカー出力ケーブル、電源ケーブルの
3つのケーブルで接続します。
これら3つのケーブルのどれを変えても音が変わる経験は誰もが認めていることだと思います。
では、どのような現象としてケーブルによる音の変化は説明できるのでしょうか?
まず、基本的な情報として以下のリンクを参照します。
Wire Gauge Chart and Current Limits Including Skin Depth and Strength
まず、スピーカー出力ケーブルでよく使われる
AWG16やAWG18の銅単線のAC電力伝送による表皮付近の最大周波数は11kHz, 17kHzなので、
オーディオ帯域にかかっていることがわかります。
表皮付近ということは、導線表面のメッキの影響や、隣接する導線の電磁的影響も受けることになります。
また、線間容量や被覆材料との容量も周波数特性には影響します。
また、電力伝送に伴う相互インダクタンスによる導線や被覆材料の機械的振動も影響します。
実際、ピエゾ効果による音鳴きや接地の有無による電源経路の影響(シングルエンド/BTL、グランドループ)などなど、
既知の現象はたくさんあります。
というわけで、ここまで考えれば、ケーブルによって音が変わらない方が不思議なくらいです。
つまり、オーディオケーブルはオーディオ信号で変調されるLCRフィルターというのが現実的モデルになります。
なので、音の焦点の変化とは、ケーブルの長さ(主にR)を変えることによって、フィルター(ケーブル)の周波数特性を調整していると考えられます。
結論としては、現実的なオーディオ用途のケーブルはエフェクターに他ならないということになります。
つまり、高価な素材や加工法に頼らなくても、
基本的な素材やコンストラクションの組み合わせで十分実用的な性能が得られると考えられます。
ケーブルに限らず、価格は音の善し悪しで決まっているわけではありません。