Wolfspeed(CREE)のC3M0065090DによるAB級ブートストラップアンプ(LT1166)を
反転増幅器(LT1122)で2つつなげばBTLアンプになります。
2つのアンプの差動出力によって、電圧と電流が2倍になるため、
熱損失と電流制限を考慮して定数などを見直す必要があります。
また、反転増幅器と2つのブートストラップアンプの電源は独立している必要があるため、
1チャネルあたり3つのDC-DCコンバータ(DPBW03G-15)が必要になります。
C3M0065090DのVDMOSモデルを示します。
.MODEL C3M0065090D VDMOS (NCHAN
+VTO=3.5 KP=4.0 subthres=8e-1 mtriode=1 LAMBDA=0
+CGDMAX=50e-12 CGDMIN=2e-12 a=0.5
+CGS=656p CJO=0.375n M=1.0 VJ=4.8
LT SPICEによるシミュレーションモデルの回路図を示します。
LT1122はユニティゲインで用いるため位相補償をしています。
+-1.5V, 10kHzの矩形波入力による過渡解析の結果を示します。
差動出力のため振幅が2倍になっていることが分かります。
FFTの結果を示します。
ノイズフロアが-100dBに上昇しています。
周波数解析の結果を示します。
帯域はDC-55kHz(-3dB)、ゲイン交差周波数は1MHzで位相余裕は40dBに減少します。
出力は500Wを越えますが、
歪みと熱損失も大きくなるため、
対策のためのコストもそれなりにかかります。