GaN MOSFETアンプのスイッチングノイズ対策をまとめておきます。
TPH3206PSBのデータシートに関連文書として
AN0009: Recommended External Circuitry for GaN FETs
があげられていて、リンギングの抑制とdi/dtの制限による
ノイズ対策のポイントがまとまっています。
また、D級アンプとしてのゲート抵抗やスナバ回路の定数はこちらが参考になります。
25W-500W Scalable Output Power
Class D Audio Power Amplifier Reference Design
Using the IRS2092 Protected Digital Audio Driver
まず、対策前のスイッチングノードのLT Spiceシミュレーションによる過渡解析はこちらで、
オーバーシュート/アンダーシュートが20V程度になっています。

対策後がこちらで、オーバーシュート/アンダーシュートが2V程度になっています。

対策の効果は、無入力時の出力ノイズレベルの減少として、
オフセット電圧や耳でも確認できます。
通常のスイッチング電源(バックコンバータ)の設計であれば、
変換効率を優先して、
スイッチングノイズはEMIの規制をクリアすればよいのですが、
D級オーディオアンプとなると、
スイッチングノイズの低減を優先せざるを得ません。