GaN MOSFETアンプのスイッチングノイズ対策をまとめておきます。
TPH3206PSBのデータシートに関連文書として
AN0009: Recommended External Circuitry for GaN FETs
があげられていて、リンギングの抑制とdi/dtの制限による
ノイズ対策のポイントがまとまっています。
また、D級アンプとしてのゲート抵抗やスナバ回路の定数はこちらが参考になります。


LTspiceによる回路シミュレーション、EagleによるPCB設計、試作、EMSによる頒布まで
GaN MOSFETアンプのスイッチングノイズ対策をまとめておきます。
TPH3206PSBのデータシートに関連文書として
AN0009: Recommended External Circuitry for GaN FETs
があげられていて、リンギングの抑制とdi/dtの制限による
ノイズ対策のポイントがまとまっています。
また、D級アンプとしてのゲート抵抗やスナバ回路の定数はこちらが参考になります。
Si8244とTPH3206PSBによるD級GaN MOSFETアンプを試作しました。
電源はSCS206AGによるSiC SBDブリッジを上下独立で使用しています。
Si8244は絶縁型ドライバなので、レベルシフト回路が不要になり、
メインの回路は非常にコンパクトにできました。
保護回路はOCPとDCPを実装しました。
アイドル時の積分回路LT1363の出力振幅を+-1V程度に調整して、
最大入力時の出力振幅をコンパレータLT1016の入力同相電圧範囲に収めています。
Si8244のデッドタイムを75ns程度に調整した結果、
自励発振周波数はシミュレーションでは1.9MHzとなっています。
デッドタイムが短いとアイドル時のスイッチングノイズが大きくなり、
貫通電流が発生します。
音自体は、高音の密度感と低音の充実感が素晴らしく、
申し分ありません。
課題を上げるとしたら、
アイドル時のスイッチングノイズの低減(スナバ回路、ソース端子へのアモビーズ、電源レールへのフェライトビーズ)と、
電源オン・オフ時のノイズの抑制(Si8244のUVLOの変更、UVPの実装)といったところですが、
自作アンプとしては対策なしでも許容範囲です。