D級GaN MOSFETアンプの音の特徴を動作原理から考察します。
まず、入力された音声信号は自励発振している積分器で、
900kHzから450kHz程度のサンプリングレートで三角波に変調されます。
つぎに、三角波は比較器で矩形波に変調されて、
レベルシフト回路、デッドタイム回路、ゲートドライバを経由して
GaN MOSFETを駆動します。
最後に、GaN MOSFETの出力は積分器にフィードバックされるとともに、
LPFを経由してスピーカーを駆動します。
回路構成としてはの3ステップなのですが、音質の面からは、
まず、アナログ信号を非常に高いサンプリングレートで処理して、
パッシブフィルタでスピーカーに出力していることが上げられます。
つぎに、積分器のオペアンプは入力信号に対して、
自分自身のクローズドループをオープンループのコンパレータ以降の
GaN MOSFETからのフィードバックによってコントロールしているため、
遅延要素が極めて少ないことが上げられます。
最後に、PWMアンプの特徴として、LPFを経由しますが、
常に電源レールの最大値でスピーカーを駆動することがあげられます。
例えるなら、ガソリン自動車と電気自動車の加速感の違いといった感じでしょうか。
結論として、
GaN MOSFETの高速性をストレートに発揮できるデバイスとシンプルな回路構成が、
高音質を生んでいると考えます。