電源レールの電圧が35V以上になると、
3端子レギュレータの入力電圧の定格を越えてしまうため
ディスクリートによるレギュレータ回路が必要になります。
ここでは、最もよく用いられる回路として、
ツェナーダイオードを基準電圧とした
トランジスタによるレギュレータ回路を検討します。
なお、トランジスタとして2N5551, 2N5401, 2SC3851, 2SD2014を想定しています。
+-45Vの電源レールに対する+-5V, +12V(-45V基準)のレギュレータ回路はこちら。

+-45Vの電源レールにそれぞれ1V, 100Hzの正弦波をリップルとして加えて、
LEDを負荷としてシミュレートした過渡応答がこちら。

設計のポイントは、まず、
ツェナーダイオード(6.2V, 15V)の電圧と電流を決定する必要があります。
降伏電圧とツェナー電流、最大損失を考慮しますが、
ここでは、ツェナー電流を5mA程度とするように、
分圧抵抗(2.2kΩ, 3.3kΩ, 4.7kΩ)を選んでいます。
コンデンサは分圧抵抗とCRフィルタを構成して、
ツェナー電圧のノイズをフィルタリングしています。
10uF, 4.7kΩでカットオフ周波数が3.4Hzとなります。
シャント抵抗(100Ω, 15Ω) は突入電流(600mAまたは4A程度)が
トランジスタのSOAに収まる値を選んでいます。
リップルに対する応答はhfeに依存するようで、
ダーリントンが最も大きくなっていますが、
大電流出力とのトレードオフとなります。
負荷に対する電圧降下も大きいですが、
非常に素直な過渡応答特性なので、
これ以上のレギュレーションが必要な場合は、
3端子レギュレータをカスケードすればよいでしょう。