MOSFET のゲート駆動特性

アプリケーション・ノート:AN-937
を読んでいて気が付いたことをまとめておきます。
目次より:
1. ゲート駆動とベース駆動
2. ゲート電圧の制約
3. ゲート回路のインピーダンス
4. TTLからの標準HEXFETの駆動
5. C-MOSからの標準HEXFETの駆動
6. 線形回路からのHEXFETの駆動
7. 接地を基準としない駆動回路
8. ロジックレベルHEXFETの駆動要件とスイッチング特性
9. 分離ゲート駆動電源を生成する単純で低コストの方法
10. ゲート・ドライバとしての光電発電機
11. 共振ゲート駆動手法
特に3. ゲート回路のインピーダンスの章が、
ターン・オン、ターン・オフ時の寄生容量の振る舞いを理解するのに役立ちます。
以下、少し長いですが、引用しておきます。
デバイスがリニアモードで動作する場合、
ゲート駆動回路からの大電流によりミラー効果の影響が最小限になり、
このステージの帯域幅が改善され、高調波歪みを低減できます。
これについては、図 3 および図 5 に示すように、
ターン・オンおよびターン・オフ時のクランプ・インダクティブ負荷の
基本スイッチング波形を分析することによってより深く理解することができます。
図 3 はターン・オン期間中のドレイン電流、
ドレイン-ソース間電圧、
ゲート電圧を示しています。
時間 t0 で、駆動パルスが立ち上がり始めます。
t1 で HEXFETのしきい電圧に達し、ドレイン電流が増加し始めます。
この時点で、ゲート-ソース間電圧波形を元の「経路」から逸脱させる 2 つの事象が発生します。
まず、ゲート回路に共通するソースと直列にあるインダクタンス(共通ソース・インダクタンス)は、
ソース電流増加の結果として誘導電圧を発生します。
この電圧は印加されたゲート駆動電圧を打ち消し、
ゲート-ソース端子間に直接現れる電圧の上昇速度を低下させます。
これにより、ソース電流の上昇速度が低下します。
これは負の帰還効果です。
つまり、ソースの電流増加により反作用電圧がゲートに発生し、
電流の変化を妨げる傾向があります。
ゲート-ソース間電圧に影響する 2 つ目の要因は、
いわゆる「ミラー」効果です。
t1 から t2 の期間では、
ドレインと直列の「非クランプ」浮遊回路インダクタンスで電圧がある程度降下し、
ドレイン-ソース間電圧が降下し始めます。
降下中のドレイン-ソース間電圧はドレイン-ゲート間キャパシタンスに反映され、
そのキャパシタンスを通じて放電電流を引き込み、
駆動回路上の実効キャパシタンス負荷を増加させます。
これにより、駆動回路のソース・インピーダンスでの電圧降下量が増加し、
ゲート-ソース端子の間に現れる電圧の上昇速度が低下します。
ゲート駆動回路のインピーダンスが低いほど、この効果は小さくなることは明らかです。
これは、負の帰還効果でもあります。
つまり、ドレインの電流を増加させると、ドレイン-ソース間電圧が降下します。
この電圧降下はゲート-ソース間電圧の上昇を遅くし、
ドレイン電流の増加を妨げる傾向があります。
これらの効果を図4 に図示します。
この状態は、HEXFETの電流がフリーホイール・ダイオードを流れている
電流IM のレベルまで上昇する期間t1~t2 にわたって継続します。
また、フリーホイール・ダイオードの逆回復する次の期間 t2~t3 も継続します。
最後に時間 t3 では、フリーホイール・ダイオードが電圧を支え始め、
その一方でドレイン電流とドレイン電圧は降下し始めます。
ドレイン電圧の降下速度はほぼミラー効果のみによって制御されるようになり、
平衡状態に達します。
この状態では、ドレイン電圧は、ゲート-ソース端子間電圧が負荷によって決められた
ドレイン電流レベルを満たすために必要なだけの比率で降下します。
ゲート-ソース間電圧がフリーホイール・ダイオードの回復電流の降下につれて降下し、
その後ドレイン電圧の降下中に負荷電流に対応したレベルに一定に保たれるのはそのためです。
明らかに、ゲート駆動回路のインピーダンスが低いほど、
ドレイン-ゲート間自己キャパシタンスによる放電電流が高くなり、
ドレイン電圧とスイッチング損失の降下時間が短くなります。
最後に、時間 t4 では、HEXFETは完全に通電状態になり、
ゲート-ソース間電圧は印加された「開回路」の値に向かって急速に上昇します。
ターン・オフ期間にも同様の事柄が当てはまります。
図 5 は、図 4 に示した回路の HEXFETの、
ターン・オフ期間中の理論上の波形を示しています。
to では、ゲート駆動が降下し始めます。
この降下は、ゲート電圧がドレイン電流を維持するレベルに達し、
デバイスがリニアモードの動作に切り替わる tl の時点まで続きます。
その後、ドレイン-ソース間電圧が上昇し始めます。
ミラー効果はドレイン電圧の上昇速度を制御し、
ゲート-ソース間電圧を一定のドレイン電流に対応するレベルで保持します。
この場合も、駆動回路のインピーダンスが低いほど、
ドレイン-ゲート間キャパシタンスへの充電電流が高くなり、
ドレイン電圧の上昇時間が短くなります。
t3 では、ドレイン電圧の上昇が完了し、
ゲート-ソース間回路インピーダンスによって決定された速度で
ゲート電圧とドレイン電流が降下し始めます。
これまで、優れたスイッチング性能の実現における
低いゲート駆動インピーダンスの重要性と
その理由について説明してきました。
ただし、スイッチング性能が大きく関係していないときでも、
ゲート駆動回路のインピーダンスを最小限に抑え、
ゲートの不要な電圧過渡をクランプすることが重要です。

 

図 6 では、一方の HEXFETをターン・オンまたはターン・オフすると、
同じレッグ上にある他方のデバイスのドレイン-ソース間に電圧ステップが印加されます。
この電圧ステップはゲート-ドレイン間キャパシタンスを通してゲートに結合し、
瞬間的にデバイスをターン・オンする十分な大きさになることがあります(dv/dt 誘導ターン・オン)。
低いゲート駆動インピーダンスにより、
ゲートに結合される電圧をしきい値未満に保つことができます。

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