ハイレゾ音源として24bit/192kHzを想定します。
すると、パワーアンプとしては、
周波数特性を100kHzまで伸ばす必要がでてきます。
また、歪率も悪化し、ゲイン余裕(6dB)と位相余裕(60度)が厳しくなるので、
定数の見直しが必要になります。
GaN MOSFETアンプの定数を詰めた結果のボーデ線図と回路図をしめします。
調整個所としては、まず、入力・増幅段のオペアンプ(U1)の位相補償コンデンサを3pFにします。
これでドミナントポールが100kHzになります。
次に、V/I変換のオペアンプ(U3)の入力抵抗を2.4kΩから1.2kΩに、位相補償コンデンサを68pFにします。
これでゼロ周波数が1MHzになります。
続いて、ゲートストッパーと
ローインピーダンスドライブのオペアンプ(U2)のトップとボトムの出力抵抗を150Ωにします。
これで、矩形波応答の寄生発振を回避します。
最後に、ドライバ段のエミッタ縮退の抵抗値を27Ωにします。
これでバイアス電流が100mA程度になり、
出力段のMOSFETのゲート電荷の引き抜き速度が上がるため、
歪率が向上します。
最終的な歪率(THD20)は
0.001696%(8Ω負荷)
0.001904%(4Ω負荷)
0.002739%(2Ω負荷)
となりました。