ゲートゾーベルはゲートとドレイン間のスナバ回路なので、
スナバ回路の設計をいろいろ検索してみたところ、
アプリケーションノートがたくさん見つかりました。
AN11160 Designing RC snubbers
Switcher Efficiency & Snubber Design
AN-4147 Design Guidelines for RCD Snubber of Flyback Converters
アプリケーションノート3835 CCFLプッシュ/プルスナバ回路
パワースイッチ向けの抵抗器-コンデンサ(RC)スナバ設計
高速DC/DCコンバータのスイッチノードで発生するリンギングの抑制 Part 3/4
AN11160によると、
まず共振周波数を測定し、
次に寄生容量を測定して、
寄生インダクタンスを計算します。
あとは臨界制動になるようにスナバ回路の
容量値と抵抗値を決めれば良いようです。
ゲートストッパーとトップおよびボトムのゲートゾーベルが干渉するので、
一度、ゲートストッパーとゲートゾーベルを取り除いてから、
20kHzの矩形波応答で測定を行いました。
また、容量を追加して発振周波数を測定するときは、
トップまたはボトムのMOSFETそれぞれ独立に容量を追加して測定した方が良いようです。
かなり試行錯誤が必要ですが、
シミュレーションで測定したところ以下の値を得ました。
共振周波数(fring0): 16.4MHz
10pF(Cadd)を追加した時の共振周波数(fring1): 14.1MHz
寄生容量(Clk): 28.5pF
寄生インダクタンス(Llk): 3.30uH
スナバ抵抗(Rs):170Ω -> 180Ω
スナバ容量(Cs):57pF -> 56pF
ゲートストッパーは68Ωでよいようです。
以前のルールオブサムのゲートゾーベルの値(Rs=47Ω, Cs=100pF, Fc=33.9MHz)にくらべて、
シミュレーションによる理論値(Rs=180Ω, Cs=56pF, Fc=15.8MHz)は、
カットオフ周波数(Fc)がおよそ半分になっているので、
ゲートストッパーが100Ωから68Ωで済むため、
GaN MOSFETをより高速でドライブできるようです。