LT1166のデータシート Figure7. Current Source Driveの、
RIN, RL, RF, CFのGaN MOSFETアンプにおける
最適値を探したところ、
RIN=2.4kΩ, RL=150Ω, RF=0Ω, CF=100pFとなりました。
具体的には、I/V変換をしているオペアンプ(U3: LT1360)の
電源ピン電流のゲインと位相が
できるだけなだらかになるようにすることがポイントのようです。
オペアンプの出力(C点)の位相余裕とゲイン余裕を大きくすることと、
THD-20を小さくすることを目標にすると、
電流変調の位相とゲインがピークやディップを持ってもわかりにくいようです。
これまでの結果として、
GaN MOSFETアンプのシミュレーション上の
特性値を上げておきます。
周波数特性:10-55kHz(-3dB)
歪率(THD-20, 入力:2Vpp, 20kHz正弦波):
8Ω, 55W, 0.002243%
4Ω, 110W, 0.004343%
2Ω, 219W, 0.006039%
最低インピーダンスが3Ωになるようなスピーカーでも、
余裕を持って鳴らせる値になっています。
(※実際の周波数特性はDCが下限。
実際の最大出力はTPH3205WSBのPD=125Wが上限。)
歪率自体もLT1166のデータシート
Figure 19. 100W Audio Amplifier
(U2: LT1363のピン番号2, 3が入れ違っているので注意して下さい)
ドライバ段のないIRF530, IRF9530による
純コンプリメンタリの構成(0.005084%)よりも、
BJTによるドライバ段(2SC4883A, 2SA1859A)
(LT1166データシート Figure 8. Bipolar Buffer Ampを参照)と
GaN MOSFET(TPH3205WSB)による
準コンプリメンタリのパワー段による構成(0.002243%)
の方がよい値になっています。
設計目標は十分、達成しているので、試作に入りたいと思います。