理想ダイオード正負電源のMOSFETのSOA

LT4320による理想ダイオード正負電源のMOSFETの選択方法はデータシートに詳しくありますが、

平均出力負荷電流(IAVG)、最大許容ドレイン-ソース間電圧(VDSS)、

オン抵抗(RDS(ON) )、総ゲート電荷量(Qg)、

ゲート・スレッショルド電圧(VGS(th))には触れているものの、

安全動作領域(SOA)に関しては特に触れていません。

 

実際に低オン抵抗のMOSFETを選んでみると、

軒並みドレイン・ソース間電圧が10V付近のドレイン電流は素晴らしいですが、

最大許容ドレインソース間電圧の付近ではほとんど電流を流せないものばかりです。

 

オーディオパワーアンプ用電源の設計なので、

50V、6Aまで10msのパルスドレイン電流が

安全動作領域に入っていることが、

8Ω, 100Wのアンプの電源としては望ましいです。

 

また、起動時の突入電流が安全領域に入っていることが必要です。

 

実際にシミュレーションしてみると、

300VA, 115V, 35V, 2回路のトロイダルトランスで

40,000uFの平滑用電解コンデンサに充電していく過程としては、

電圧が45Vに向かって指数関数的に増加しながら

電流は60Aから指数関数的に減少していきつつ、

パルス幅も6.6msから減少していきます。

lt4320_fdh5500_f085_asc

fdh5500_f085woicl

50Hzのピーク電流, 電圧、パルス幅を拾ってみるとこんな感じです。
t1, 8V, 60A, 6.6ms
t2, 20V, 42A, 6ms
t3, 26V, 30A, 4.9ms
t4, 28V, 24A, 4.3ms
t5, 33V, 17A, 4.8ms
t6, 35V, 16A, 3.5ms
t7, 36V, 11A, 3ms
t8, 37V, 11A, 2.9ms
t9, 38V, 8A, 2.5ms
t10, 39V, 8A, 2.5ms
t11, 39V, 6A. 2.2ms
t12, 40V, 6A, 2,2ms

これらの整流時のドレイン電流の値を

FDH5500_F085のデータシートの安全領域にプロットしてみると、

fdh5500_f085_soa
10msの境界が10V, 60Aから40V, 8A、
1msの境界が10V, 180Aから40V, 20Aとなっていて、
ピーク電流が10msと1msの間の領域を推移するので、
突入電流対策が故障したとしても、
MOSFETの破壊はなさそうです。

また基板のパターンの銅箔には抵抗があるので、
突入電流で燃えないように、十分な線幅と厚みが必要です。

もちろん実際の設計には、

NTC(負の温度係数を持つサーミスタ)を

ICL(突入電流制限)として入れるので、
ピーク負荷時でも10ms領域の中に止まる設計です。

ICLを入れたシミュレーションはこんな感じです。

lt4320_fdh5500_f085_icl_asc

lt4320_fdh5500_f085wicl

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