LT1166パワー出力段自動バイアスシステムによる100Wオーディオパワーアンプの試作

SiC MOSFETアンプ、UHC MOSFETアンプときて、
結局、純コンプリメンタリのMOSFETアンプに回帰しました。

LT1166のデータシートに出ている回路が基本ですが、
実際に動作させるのは、なかななか手強いです。(笑)

まず、出力ABバイアス電流の設定ですが、
電流検出抵抗の値は実質的に0.22Ω
(バイアス電流20mV/0.22Ω=90.1mA)で固定です。
でも実際には、この値から自動で調整されます。

なので、何も考えずに
これを0.1Ωにするとバイアスがかかりすぎてしまいます。
シミュレーションでは動いてしまいますが、
MOSFETアンプの場合、通常150mA程度までです。

しかもデフォルトのトポロジーだと電流制限と兼用になっているので、
話がわかりにくいのですが、
例えば4Ωのスピーカー用に電流制限を2倍にしたい場合は、
0.1Ωの抵抗を2つずつ、4つを組み合わせて
タッピングする必要があるようです。

次に、シャントレギュレーターのドライブですが、
オペアンプの電源リードを電流源出力とするV/I変換にするための
電流検出抵抗に150Ωを設定しました。
問題はレーティングです。
シミュレーション上は1/4Wでもいけそうなのですが、
MOSFETが故障したり、
バイアス電流検出抵抗の接続が切れたりすると
かなりの電流が流れます。
また、現実の動作状態ではハイサイド、
ローサイドのバイアスを調整する際にもかなり大きな電流が流れるようです。
なので、最低でも3W(燃えませんが、煙は出ます),
出来れば5Wが安全です。

さらに、電源の接続を間違えて、MOSFETが故障した場合などで、

ゲートから電流が漏れたりすると、

Vtop、Vbottomの510Ωの抵抗も電流の通り道になるので、

焼損します。

なので、1W以上が安全です。

LT1166, IRF530, IRF9530, 150Ω, 510Ωを

実際に飛ばして得たノウハウなので、参考にして下さい。

 

最後に、出力のアイソレーターの1uHのインダクタですが、

TDK TSL0709,

Murata Power Solutions 15102C

を試しましたが、

いずれも音量を上げると音がひずんでしまいます。

実用的には空芯コイルでないと厳しいようです。

ポリウレタン線を自分で巻くのは面倒なので、

手持ちのジャンクアンプ基板から部品を調達しました。

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