試作を経て問題点や改善点がいろいろ明らかになったのと同時に
設計コンセプトも変化してきました。
便宜上、今追求している、理想ダイオード正負電源と
サスペンデッド電源によるMOSFETアンプを
クールMOSFETアンプと呼ぶことにします。
ドライバ段と出力段の組み合わせでSiCやUHCにも出来ますが、
そこは本質ではないことに気が付きました。
半導体アンプである以上、温度特性と放熱が常に問題になります。
純A級アンプが一番わかりやすいと思います。
一方で、D級アンプが電力効率としては一番良いですが、
スイッチングノイズとキャリアのフィルタリングの問題が避けられません。
クールアンプの設計コンセプトはオペアンプで信号処理を完結して、
電力は出来るだけ熱に変えずにスピーカーに送り込むことにあります。
結果的に温度特性のよい領域と電源電圧を効率よく使えることになります。
放熱と電流(ドレインとソースのパターン幅)を大きくしようとすると、
TO-220パッケージのMOSFETよりも
TO-247パッケージのMOSFETが有利になります。
なので、次はTO-247パッケージによる設計および試作を検討しています。
LT1166でバイアス調整を自動化して温度補償をなくすために、
電流検出抵抗が0.22Ω必要なので、
UHCにこだわってもここがボトルネックになります。
また、SiCは準コンプリメンタリにするためドライブ段が必要になり、
回路規模とBJTの放熱がボトルネックになります。
なので、出力段用MOSFETは、
純コンプリメンタリのTO-247でオーディオアンプの作例が多い、
IRFP240, IRFP9240をターゲットにします。
また、理想ダイオード正負電源の整流用MOSFETはIRFP7530をターゲットにします。
ケースはこんな感じ。