結局の所、自作アンプの究極の目標は
自分の聴きたい音を作ることにあります。
現在、制作中のUHC MOSFETアンプの設計目標をまとめておきます。
1. ヘッドフォンで聴いているオペアンプの音をスピーカーでも聴きたい。
音楽製作自体がデジタルで完結するため、
ヘッドフォンで聴いている音とスピーカーで聴いている音の傾向を合わせたい。
デジタル音源やDJミキサーは、オペアンプやICの塊なので。
2. 周波数特性よりも過渡特性
体感的に聞こえる周波数は40~15 kHzで十分だが、
ダンスミュージックなどのキックとパーカッシブな音がきちんと聞こえることが重要。
ハイレゾのためというよりも、矩形波の立ち上がりと立ち下がりを鈍らせたくないので、
NFBを減らして100kHzまで通過帯域と位相特性を確保している。
3. 歪率よりも瞬時電流
低音と高音の切れのためには、瞬時電流が必要で、
瞬時電力を維持するためには発熱を抑えられる
低オン抵抗のMOSFETが必要なので準コンプリメンタリになり、
入力容量が増えるためゲートストッパーが必要で
歪率はトレードオフになる。
4. 工芸品ではなく工業製品
オーディオ用に限らず、
リード線のアキシャルなディスクリートの部品は、
どんどん生産中止になっているため、
電源用や車載用など、
他の市場用途での性能向上や量産が
見込める部品や構成を採用する。
すでにオーディオ、特に家電は衰退産業なので、
ニッチな高級品マーケット、安価なAVや普及家電、
SRなどのエンターテイメント産業向けの用途しか残らないでしょう。
趣味性よりも実用性重視ですが、
自分の目的に合わせた設計が自作やカスタム製品の
優位性なので。