HiperPFS-4によるVF-CCM(可変周波数連続導通モード) Universal PFCの基板設計をまとめておきます。
EAGLEの回路図です。


LTspiceによる回路シミュレーション、EagleによるPCB設計、試作、EMSによる頒布まで
HiperPFS-4によるVF-CCM(可変周波数連続導通モード) Universal PFCの基板設計をまとめておきます。
EAGLEの回路図です。
HiperPFS-4によるVF-CCM(可変周波数連続導通モード) Universal PFCの回路設計をまとめておきます。
PI Expert Suite(設計ツール)で、パラメータを決めて、
データシートの手順に従えば、部品点数も少ないため、
簡単に設計できます。
回路図をデータシートから引用しておきます。
こちらのアプリケーションノートも参考になります。
AN-52: HiperPFS Family Design Guide
AN-53: Active Power Factor Correction – Basics
その他の主要部品もあげておきます。
HiperPFS-4: PFS7626H
PFC Choke: 76084310
PFC Diode: STTH8S06FP
HV Startup: IRS25751L
HiperLCSによる250kHz 140W LLCコンバータの基板設計をまとめておきます。
AN-55 – HiperLCS Family Design Guide
データシートやデザインガイドにしたがって、
補助電源の接続やグランドの分離(GNDとG)などを考慮して設計します。
部品点数は少ないですが、リード部品中心で構成しているため、
データシートの面実装部品中心のレイアウトが
そのまま当てはまらない部分は工夫が必要です。
EAGLEの回路図です。
基板レイアウトです。
基板上面のベタパターンです。
基板下面のベタパターンです。
以降は、試作に続きます。
HiperLCSによる250kHz 140W LLCコンバータの回路設計をまとめておきます。
HiperLCSの特徴を引用しておきます。
• コントローラ、ハイサイド/ローサイド ゲート ドライブ、高耐圧パワー MOSFET を組み込んだ LLC ハーフブリッジ コンバータ
• 外付け部品点数を最大 30 個削減可能
• 最大動作周波数 1 MHz
• 最大 500 kHz の定格定常動作
• 磁性部品のサイズを大幅に削減し、SMD セラミック出力コンデンサが使用可能
• 精密なデューティの対称性により、出力ダイオード電流が均等になり効率を改善
• 通常 300 kHz で 50% ± 0.3%
• 包括的な異常時の保護動作と電流制限動作
• プログラム可能な起動/停止スレッシュホールド及びヒステリシス
• 低電圧 (UV) 及び過電圧 (OV) 保護
• ユーザー設定可能な過電流保護 (OCP)
• 短絡保護 (SCP)
• 過熱保護 (OTP)
• 最適設計のためのユーザー設定可能なデッドタイム
• ユーザー設定可能なバースト モードにより無負荷時のレギュレーションを維持し、軽負荷時効率を改善
• ユーザー設定可能なソフトスタート時間及びソフトスタート開始ディレー タイム
• ユーザー設定可能かつ高精度な最小及び最大の周波数制御
• 高出力及び高周波用に設計された単一パッケージ
• 組立コストを削減し基板レイアウト ループ エリアを削減
• ヒートシンクへの簡単な取り付け
• ピン配列を交互にずらすことで、プリント基板の配線が簡素化し高電圧動作の沿面要件にも対応
• HiperPFS PFC 製品と併用することで、完全かつ高効率でありながら部品点数の少ない PSU ソリューションが得られる
設計手順としては、
AN-55 – HiperLCS Family Design Guide
デザインガイドに沿って、
ツールで主要パラメータを決定していくだけです。
設計例としては、こちらのレポートが参考になります。
RDR-239 – HiperLCS を使用した 150 W LLC 高電圧 DC-DC 共振コンバータのデザイン例レポート
回路図を引用しておきます。
今回の設計目標は、
出力: DC +-48Vで、
入力: PFC 400V、
補助電源: 18V(PFCより)
を想定しています。
トランスは250kHzで駆動できるものとして、
平面トランス(Lpar: PH0802CNL)とトロイダルトランス(Lser: CTX50-1-52-R)で構成します。
PH08XXCNL Series: Planar Transformer Continues Cost-Down Initiative
2次側は、
フルブリッジ構成にして、DC+-48Vを得ます。
ポストフィルタのインダクタ(B78108E1151M009)は、
Inductors RF chokes, BC+ series
フィードバック回路は、
で構成します。
以降は、基板設計に続きます。
LLC共振ハーフブリッジ・コンバータを試作しました。
200W DC385V入力, DC+-48V出力で設計しています。
主要部品としては、以下の部品を使用しています。
PFCコントローラ: UCC256404
LLC用トランス: 760895651
MOSFET: IPA60R170CFD7
2次側整流ダイオード: STPS30M100S
2次側オプトカプラ・ドライバ: LT4430
デジタル・アイソレータ: Si8710AC-B-IS
実際に試作してみたところ、
Excelの設計ツールのISNSで、電流検出抵抗Risnsの計算値に誤りがありました。
UCC25640x Design Calculator (Rev. B)
また、BW, LL/SSの抵抗分圧器の設定が複雑で依存関係があるのと
データシートのBurst ModeのOptionの設計方法の説明が不十分で誤りもあり、
設定値の合わせ込みや調整に時間がかかりました。
データシートの他に、
こちらの資料も見ておいた方がよいと思います。
Migrating to UCC25640x from UCC25630x
なお、無負荷時10mA程度の設計なので、
Option 3のBurst Modeに設定しています。
現在、GaN FETアンプの電源として、
CHN70のTLスピーカを出力、UMC202HDを入力として、
PCのYouTubeを音源としてエージングもかねて、
臨界モードPFCとともに使用して評価しています。
調整中に2次側をフロート、1次側を接地、NTCなしで、
立ち上げたところ、漏電遮断機が落ちてしまったので、
NTCを追加して、
2次側と1次側をインレットのアース端子に筐体内で接地して、
商用電源にはアースなしで接続しています。
無信号時のフロアノイズとしては、
ハードスイッチングのACアダプタとは異なり、
可聴帯域のノイズは、100Hz付近が少し盛り上がる程度です。
おそらく、AC100V入力のダイオードブリッジの逆回復ノイズと
PFCチョークの誘導ノイズだと思われます。
空中配線を変更するだけで、軽減できます。
これまでの、
300VAトロイダルトランスとコンデンサ・インプットSiC SBDの電源と比較しても、
100Hz付近のノイズは低減し、電源レールのレギュレーションは向上しているため、
D級アンプの電源としては、PFC+LLC電源が適していると思います。
高効率で低背のソフトスイッチング電源によるD級アンプの音は、
なかなかよいです。
LLC共振ハーフブリッジ・コンバータのフロントエンドに使う、
臨界モードPFCを試作しました。
ユニバーサル入力200Wの設計で、主要部品としては
臨界モードPFCコントローラ UCC38050
PFCチョーク:WE-PFC PFC Choke 760805410
ブースト・ダイオード:600 V, 8 A Ultrafast Boost Diode STTH8S06
スイッチング・トランジスタ:600V CoolMOS P7 Power Device IPA60R060P7
を使用しています。
ブートストラップ回路の最適設計をまとめておきます。
こちらのアプリケーション・レポートが参考になります。
Bootstrap Circuitry Selection for Half-Bridge Configurations
ここでの設計課題は、ブートストラップ・ダイオードの選定です。
SBD(STPS2150)とFRD(STTH1R02)のどちらが最適かを検討します。
ハーフブリッジ・ドライバをSi8244,
ブートストラップ抵抗を1 Ohm,
ブートストラップ・コンデンサの容量を1uF,
バイパス・コンデンサの容量を10uFとして、
電源レールが+-48V、
スイッチング周波数が1MHzのD級 GaN FET(TPH3206PS)アンプの
アイドル時の様子を
LTspiceでシミュレーションしてみます。
まず、逆回復電流の過渡解析です。
SBDはほとんど発生しません。
FRDは-100mAほど発生します。
つぎに、出力電圧のノイズフロアのFFTです。
SBDは-97dBです。
FRDは-82dBです。
結論として、高速D級アンプでは、
ブートストラップ・ダイオードの選択によって、
ノイズレベルに大きな違いがでます。
トランスリニアバイアス回路についてまとめておきます。
LT1166のデータシートから引用します。
乗算器の動作
図2にLT1166内部の電流乗算器回路と、
出力トランジスタとの関連性を示します。
LT1166の電源電圧VT(トップ)とVB(ボトム)は、
パワー・デバイスの所要“オン”電圧によって設定されます。
また、基準電流IREFで、VBE7とVBE8が一定電圧に設定されます。
この電圧はQ9とQ10のエミッタ・ベース間の電圧で、
Q7とQ8のエミッタ部分の1/10になります。
この電流乗算器に対応する式は、以下のとおりです。
VBE7+VBE8=VBE9+VBE10
あるいは、電流に関しては、以下のとおりです。
(IC9)(IC10)=(IREF)2/100=一定
IC9とIC10の積は一定です。
これらの電流はミラーされ、
内部オペアンプ・ペアの(+)入力の電圧を設定します。
オペアンプの帰還によって(-)入力の電圧が等しくなり、
これらの電圧はパワー・デバイスと直列に接続されるセンス抵抗に現れます。
パワー・デバイスの2つの電流の積は一定で、
一方が増加すると他方が減少します。
Q9とQ10は対数特性に優れているため、
10倍単位の電流変動においてもこの関係が維持されます。
Q7とQ8の全電流は実際には、
IREFとシャント・レギュレータの小さな誤差電流の和になります。
高い出力電流条件では、レギュレータからの誤差電流は減少します。
レギュレータによって流れる電流も減少し、
パワー・デバイスをドライブするのに必要なだけVTまたはVBを上昇させることができます。
トランスリニアバイアス回路は、
原理的に電流積が一定なので、
バイアス電流が0にはなりません。
(バイアス電流が0になると電流積が0になってしまい、一定にならない)
LT1166によるトランスリニアバイアス回路の実装は、
ソース抵抗(エミッタ抵抗)を
バイアス電流の検出抵抗として利用しているため、
エミッタ抵抗レスの構成にするには、
他の電流検出方法を検討する必要があります。
REWのTarget Curve(House Curve)の設定方法をまとめておきます。
まず、PreferencesのHouse Curveタブで、周波数とゲインのペアを並べた
テキストファイルを設定できます。
ターゲットカーブは、いろいろあるようですが、
とりあえず、こちらを設定してみます。
The Measurement and Calibration of Sound Reproducing Systems
Target Curves for Dirac Live 2/3
House Curveを設定後、EQ画面で測定データを開くと、
Target(青)がHOUSEとして表示されます。
House Curveを設定するとTarget Settingsは無視されるようです。
Set target leve, Match responses to targetのリンクをクリックすれば、
Filterの計算が実行されます。
低域を持ち上げて、高域を落とした
いわゆるピラミッドバランスになります。
フラットのターゲットカーブでは、
高域がキンキンして、
長時間の音楽鑑賞には堪えないので、
やはり、適切な音場補正は必要です。
Markaudio CHN70の周波数特性と音場補正についてまとめておきます。
10cm フルレンジ ペーパーコーンをトランスミッションラインにしています。
REWのEQ画面です。
低域のピークは共鳴管の3, 5, 7次高調波、
高域のピークは分割共振と思われます。
154Hz, 271Hz, 342Hz, 2,586Hzのピークをつぶして、
121.5Hz, 307Hzを持ち上げるEQになっています。
ペーパーコーンの聞きやすい高音に、
共鳴管による位相の乱れのない低音が加わって、
さらに魅力的な音になりました。